ウィッツのつぶやき Vol.112

2019年11月05日 アウトソーシングという言葉があります。 簡単に言えば、本来自社で持つべき人材や仕事を外部委託し、自社の企業活動に生かす経営手法です。 2000年代初め、小泉改革が始まった頃から急に広まった言葉ではないかと思っていますが、この頃から大企業に正規社員を派遣社員で置き換える傾向が始まりました。 派遣会社が乱立し始めた時期と一致します。 最初の頃は正規社員より収入が良い場合もあり、割と自由に職場を変えられるので正規より派遣等非正規の方が好まれた時期もありました。 世情でもライフスタイルの多様化が喧伝され、それに伴って終身雇用制が徐々に制度として崩壊していったかと記憶しています。 昔の三公社五現業と言われた準公務員の組織や郵政民営化などにみる国家公務員制の廃止など、徐々に滅私奉公的日本独特の働き方が崩壊していった訳で、組織を構成する労働者が単に労働力提供者としてのみ認知される事に繋がっていったのです。 その頃から労働力の自由化が社会に認知されるようになり、企業は現場の労働者を非正規社員で置き換えるようになりました。 これが良かったのか悪かったのかはその結果を見れば一目瞭然ですが、とんでもない結果を生んだ訳です。 日本の企業の競争力は一時期回復したかに見えましたが、製品の品質は終身雇用制の頃とは比べようもないほどに低下しました。 メイドインジャパンと言えば世界に名だたる優秀な製品で、丈夫で長持ち故障を知らないというのが海外での評判でした。 今でもまだ日本の工業製品には安定した評判があるのかも知れませんが、内実は惨憺たるものではないかと思われます。 非正規社員は製品に対する責任がないため、手を抜くような事は無い迄も時間通りに言われたとおりにしか働きません。 当然現場での引き継ぎも無ければマニュアルに従って時間内に決まったことをやるだけです。 その結果現場での工夫はなくなり、製品の質は低下していきました。 時間に間に合わせるだけの作業や、数をすり合わせるだけの作業等労働の品質がどんどん低下していったのはこの頃の事です。 加工食品への異物混入事件など労働力の品質低下に伴う事件が多数発生したのもこの頃の事だったかと思います。 当時の生産現場はそれが一流企業と言われる工場の現場でも見るに堪えないところがいくつかありました。 各工場を渡り歩く非正規社員の間でも噂になっていたほどですから、製品管理の実情は大変だったことでしょう。 色々あって今がある訳ですが、簡単に言えばこの世の中何ものでもそうですが、経費を切り詰めようとして物や人を買い叩いても良いものが出てくる訳がありません。 労働者の家庭でも同じことです。 安定して生活ができるから、未来の絵が描けるから安心して働けるのであって、先の生活に不安があったら誰も安心しては働けません。 安心して働けないという事は、そのまま労働の質に影響してきます。 これは理の当然です。 働き方改革ももちろん良いのですが、労働の対価に対する正当な評価をしない限り労働者はしたくても良質な労働力を提供することはできないでしょう。 社員のためを思う会社こそが良い製品を提供し社会に貢献できるのです。 働き方改革とは働く形態を労働者が自由に選べる環境である事かと思います。 もちろん個人の能力もありますから、適材適所という事はありますが、したい仕事が自由に選べる社会環境こそが大切だと思われます。 学歴や資格だけが全てではありません。 学歴があってもダメな奴はどこまでいっても駄目ですし、資格があっても何も出来ない専門家も大勢います。 今の派遣業務の形態は外国人を交えることによって当初より少し変化してきたのかも知れません。 今の労働形態の内実は分かりませんが、個々の労働者を大切にしない限り質の良い企業活動は望めないとは言えるでしょう。




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