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ウィッツのつぶやき Vol.35

2019年09月29日

日経新聞の記事(https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5030385027092019SHA000?disablepcview&s=3&fbclid=IwAR1fQITyq29loerjVoudzBngCX5Z-1W-XUZeXM2bHlpgWIQoLjk8-aL530E)によると、トランプ政権がビザ(査証)発給を厳格にして相対的に賃金が低い案件の承認を一気に絞ったという事です。 これによってインド系のIT大手での承認が急減した一方、グーグルなど「GAFA」は高報酬をテコに承認を増やし、むしろ人材の囲い込みに拍車をかけているという事です。 コングロマリット化した多国籍企業の利点がここで思い切り生かされているという事でしょうが、これでは世界の富の寡占化がどんどん進むことになってしまいます。 お零(こぼ)れの富を一体どうやって掻き集めるのか、各国の主要企業が束になってかかっても「GAFA」に吸収されてしまっている昨今、現実にインド系IT従事者がアメリカIT大手での承認が急減しているとすれば、これは世界経済に対する由々しき一大事と言うべき政策だとも言えます。 人材がアメリカに一極集中しないという点では寧ろ朗報だととらえるべきなのかもしれませんが、多国籍企業なら優秀な人材を各国に配置しておいて頭脳の集約化を図ることができます。 その多国籍企業がコングロマリット化しているのです。 これは危険以外の何ものでもないとは言えないでしょうか。 最早超巨大企業は世界から隔離されても自分一人で何でもできる状態となりつつあります。 外から富を集めながら自分のところからは何も出さないブラックホールとなってしまうのです。 戦後日本が財閥解体で純粋持株会社は認められなくなりましたが、その間にアメリカは新興企業が時代の流れに乗って「GAFA」を構築してしまったのです。 日本企業は純粋持株会社解禁以後、国内で責任回避のシステム構築のために子会社化を進めたような傾向があります。 日本の基幹企業がそういうつまらない小手先の技術に走ったおかげで日本での多国籍コングロマリットは最早育ちようのないところまで時代に取り残されています。 この傾向が強くなるのが良い事なのか悪い事なのか、ちょっと予測を付け難いところですが、国境というボーダーラインが薄められるという観点からはいいのかもしれません。 基本となる企業倫理がどこに依拠するかという議論は残りますが、企業内では最早国という概念は無くなりつつあるとも言えるでしょう。 一方で国の概念が薄まり、一方でナショナリズムや宗教が存在し続ければどこかで軋轢が生じるのは不可避だと言えます。 その極致に至るのにどれだけの時間的余裕があるのでしょう。 今でさえナショナリズムに基づく争いや宗教に起因する争いが世界中に蔓延しているのです。 「GAFA」を基軸にした社会が、貧困が深刻化する世界と対峙した時、ナショナリズムや宗教がボーダーレス社会との争いと結びつかないとは誰にも言い切れません。 日本には昔、住井すゑの描いた「橋の無い川」という作品がありましたが、今は世界を舞台に「橋の無い川」が跋扈しているのかもしれません。 当時は差別が人々を分けていましたが、これからは人々がその暮らし方で区別される時代になるのかもしれません。